今年一回目のセミナーは、リクリさんのワークショップセミナーに行ってきました。
リクリセミナー with ワークショップ「UX thinking for OSAKA」
UXと「ユーザーエクスペリエンス」
UXとはと言われると、ぼんやりは理解したつもりですが、うまいこと説明できません。大きな大きな概念でした。なんとなく、カタカナにしてみました。
「ユーザーエクスペリエンス」
使う人+経験。使う人が「経験」することで、成長したりや楽しい気持ちになることを考える概念なのかなぁと勝手に意訳。最初にUXとUXデザインに関する講義があり、もっと詳しいところ、難しいところも教えていただき、ワークショップが始まりました。とりあえず、やってみて、体で覚える!
UXとは
ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念である。
UX 【 ユーザエクスペリエンス 】 User Experience / ユーザ体験 IT用語辞典 e-Wordsより 引用
チーム分けと自己紹介
今回のチームは4人。集まってしばらくすると軽く自己紹介が始まり、ディレクターさん2人、デザイナーさん1人、コーダよりな自分1人と判明。そのあと、講師のフミヤ先生から「自己紹介シート」の説明が…。シートを書く前に、勝手に自己紹介が始まる辺は、大阪ならではらしいです。そうなんですか…知らなかった!その後、シートを使って、さらに詳しく自分たちを紹介しました。
この自己紹介大切だと思いました。これから2日間、チームとして作業をしていくにあたり、相手のことを知るのってとても大事だと思います。自己紹介シートに、今日の課題に対する自分の思いや、自分自身の長所短所を書いて、わいわいと楽しい自己紹介タイム。いよいよワークショップ開始です!
まずは、課題と「仮説」から
まず、大阪がかかえる課題と「仮説」について考えました。「仮説」は、その理由ととらえていたんですが、その対応策だったようです。こうやったらその課題を解決できるという「仮説」。実際の仮説は、喫煙所を設置するなどだったのかもしれません。
チームで出た課題
- 歩きタバコが多い
- 信号を守らない
- せっかち
- キャッチが多い など
チームで出た仮説
- 喫煙所が少ない
- 待ち時間がもったいない
- 時間を大切にしすぎる
- 夜の店が多い など
その中でもっとも重要だと思われる課題と仮説を決めました。
課題「自転車でのマナーが悪い」
仮説「自転車のマナーと安全をPRする」
ユーザーのモデル:「ペルソナ」作成
ペルソナとは、ユーザーをモデリング化した架空の人物のことです。モデリングするために、氏名、年齢、性別などから性格や好みまで具体的な部分も想定していきます。
想定するユーザーとして、架空の人物「ペルソナ」を作ってみた
ユーザーを「ペルソナ」として、1人の人物のように定義しよう。特徴的な属性・好みや行動パターンは? さらに、ゴールを設定し、どのように行動するかを物語形式のシナリオを作ろう。
UXデザインのススメ(4):想定するユーザーを「ペルソナ」としてモデリングするより 引用
今回、課題と仮説に基づき作ったペルソナは、「自転車でのマナーが悪くて困っている人」まゆちゃんでした。
まゆちゃん 〜 38歳 南森町に住む主婦
子ども2人(小学2年と年中)
元百貨店勤務で現在は大阪駅イカリスーパーにてパート勤務
携帯はガラケーだが、スマホに変えたいと思っている。
社交的でママ友とのホームパーティーやフリマなどで子ども服を売ったりなどが趣味
商店街での自転車やあるきタバコのマナーが悪く、困っている など
そのまゆちゃんを探し、実際のニーズや要望などをリサーチするために、天神橋筋商店街にフィールドワークに出かけました。レッツゴー!
フィールドワークで撃沈
当日は、えべっさんの残り福で、人通りが多かった商店街。商店街に出て思ったのは、実際に駐輪場や喫煙所が少ないなぁということ。そして、年配の方の多さ。若い人ほとんどいません。まゆちゃんを探そうにも結構大変。まゆちゃんらしき方にお声をかけて聞くと「子ども連れでは普段商店街を歩かない」とのこと….わぁ、そうですよね、確かに。忙しいお母さんは商店街でお買い物より、なんでも一回でそろうスーパーでお買い物、働くお母さんは、さらに週末にまとめ買いですよね。
そこでペルソナへのインタビューをあきらめ、お店の方などにインタビューしてみてわかったこと。
- 平日の朝は自転車でスピードを出している人が多く、危険
- 来月から自転車を乗って商店街を通ることが禁止になる
二つの事実を持って、これからどうするか考えながら、戻りました。
ペルソナ再構築なんと二人もあり!?
戻って、まゆちゃんはいないので、実際にいそうなペルソナを考えることになりました。50-70代くらいの女性の方が多かったこと、大阪のおばちゃんで自転車について困っていそうな人….うーん、だれかいないかなぁ。オヤツをつまみながら考えました。ワークショップのおやつ重要。
流れてきたBGMを口ずさんでいると、「恋するフォーチュンクッキー」 商店街自転車通行禁止バージョンを作ろうとか、フラッシュモブでつくろうなどの意見がでてきて盛り上がり始めました。なんか楽しくなってきた!その盛り上がりの末、生まれたのが「たまちゃん」でした。
たまちゃん 〜 67歳 商店街で働く子育ての終わったお母さん
- 旦那さんと二人暮らし
- 商店街のお惣菜屋さんで週2〜3回パート、商店街の人とも顔なじみ
- 年二回の旦那さんとの旅行を楽しみにしている
- 明るく社交的。習い事はコーラス
- 吹田市に住んでいる孫に会うのが楽しみ
- 悩み:自転車に怯えることなく商店街を歩きたい
そこから、たまちゃんをペルソナに、Webサービスを考えてみましたが、たまちゃんが実際にWebサイトを使うのかというと、ほとんど使わないだろうし、さっきまでの妄想が…あー。
悩んでいたら、フミヤ先生が「実際にサービスを使うペルソナをもう一人作ってもいいですよ」というアドバイスをいただきました!新しいペルソナ、実際に自転車マナーが悪くWebサイトを見そうな大ちゃんが誕生します。
大ちゃん 〜 26歳 メーカーの営業・一部自転車通勤
- 朝が弱く、前日飲み会の日は寝坊しがち
- 喫煙者
- 駅まで自転車で通勤
- 自転車に乗ったまま商店街を書け向けることを悪いと思っていない
- 携帯2台持ち、スマホと会社支給のガラケー
- 自転車に乗りながら、LINE、急ぎ連絡「少し遅れます」など
- 大ちゃん自身は、自転車のマナーについて悪気がない。
大ちゃんもたまちゃんもお互いに知り合うことはないですが、相互に関わりあってますよね。この二人のペルソナに対して、今回の課題「自転車でのマナーが悪い」解決のための方法を考えました。
ペルソナ・大ちゃんに「響く」対策を考える
たまちゃんは、自転車のマナーを守ってほしいと思っています。それに対して、大ちゃんは、自転車に乗っての通行を禁止されている商店街を自転車に乗って通行していますが、禁止されていることも知らないし、そのこと自体が悪いと思っていません。大ちゃんに気づいてもらえる方法は!?
大ちゃんへのアプローチはいろいろ考えました。最初のペルソナ「まゆちゃん」の二の舞にならないように、ディレクターのまるちゃんが、実際に自分のお友達に電話してインタビューをしてくれました。もう一人のディレクターTJさんは、大ちゃんに近い部分もあり、彼の意見もとても参考になりました。張り紙しても見てくれないよね、チラシを配っても読まないよね….などチームで考えた結果、大ちゃん自身にメリットがないと、アプリもダウンロードしないだろうし、Webサイトも見ないという部分を、みんなで共有。じゃ、大ちゃんが興味のありそうな、飲み会をキーワードに、バルイベントを開催し、商店街で自転車通行規制があることをアピールしてみてはという案が浮上!特典があれば、大ちゃんもアクセスするはずと、クイズに答えるとクーボンをゲットできるサイトを作成することに!
企画:自転車と歩こう! デンジャーイヤジャー天神バル
目的
天神橋筋商店街での自転車通行規制について、バルに参加すると思われるユーザー層とくに若いユーザー層に知ってもらう。
サイトへの誘導
天神橋筋商店街の飲み屋さん、街頭でのチラシ配布。チラシにはQRコードなどを記載
サイトの内容
Webサイトで自転車に乗ったままの通行禁止喚起とキャンペーンバルの告知。簡単なクイズでクーボン配信。
サイトを使うメリット
バル当日、クイズでゲットしたクーポン画面提示することで、店ごとでスペシャル特典をゲットできる。
サイトは、Jimdoを使って作成しました。Chromeでしか確認してないので、崩れてたらすみません。実際に作ったサイト(ほんとにあると思う人がいたら困るので、適宜ダミーが入ってます・笑)
サイトを作っている間、ディレクターさん2人がプレゼン資料を作ってくれました。私が作る作業に必死な中、デザイナーののりこさんが、フリー写真素材などでサンプル画像を探してくれたり、Jimdoについて教えてくれました。カラーリングで悩んでいたら、Adobe Kulerを紹介してくれたり、PhotoShopのショートカットを教えてくれたり。ほんとありがとうございました。
ここまでで、まるっと2日間で10時間。みなさん、ほんとおつかれさまでした。
反省会と感想
プレゼンは、ディレクターの2人が担当してくれました。しょっぱなに、若い2人がしっかりプレゼンしてくれました!ありがとうございました!
他のチームは、ジャーニー(ユーザーエクスペリエンス・ジャーニーマップ)があったり、リサーチのときに実際に数値をとっていたりしていました。そういう部分も今後の課題かなと。他のチームと自分たちを比べて学べる部分も多かったです。ペルソナに写真をつけているチームもありました。
ユーザーエクスペリエンス・ジャーニーマップ
- ユーザのストーリー・タイムラインを軸に生活者の感じる価値を中心にデザインする
- ユーザとプロダクトあるいはサービスとのインタラクションをタッチポイントとして可視化する
- 各タッチポイントで提供している、あるいは提供するソリューションを定義する
優勝は、「じゅんこ」が大活躍する放置自転車対策チーム!
審査委員長賞は、大阪駅の地下がダンジョンで怖い対策チームでした!たしかにダンジョン!工事の進捗で変化するので、是非実現していただきたい対策です!
残念だった天神バルチームは、その場でしっぽり反省会。
ユーザーニーズとサイトの目的のもっと詳細な部分をチーム全体で共有化したらよかったなぁと。分業になったころに、少しずつブレが出ていた気が….プレゼンの前に、サイトと企画書を見て、みんなで話をしたらよかったと思いました。ここまでやってきたことを、如何に伝えるか、どこが売りなのかなど、また、プレゼンのどこで笑いを取るかなどの打ち合わせも必要だったかと!
ほんとに濃くて、充実した二日間でした。一緒にがんばったまるちゃん・TJさん・のりこさん、セミナーや新年会でご一緒させていただいた方々、講師のみなさま、そしてスタッフの小山ちゃん、ほんとありがとうございました。2日間おつかれさまでした。
最後に
今回の記事のペルソナ:みくちゃん
35歳、フリーWebデザイナー・子育て中
普段の作業は家中心
日々の作業・家事に追われて、ときどき気分転換したいがあまり時間がない
子どもが大きくなったらもっと外に出たいと思っている
次回、参加するというところまでに至るには、少し遠いイメージのみくちゃん。みくちゃんがこれを見て、雰囲気だけでも感じてくれたらという視点で書いてみました。ネットでの情報収集中心のみくちゃんが、この記事を旦那さんと一緒に読んで、たまには外にも行っておいでよと言ってもらえたら、大成功です(笑)。旦那さんペルソナを作り忘れたので、欠けている部分もあるかもしれません(苦笑)。今回のワークショップで一番楽しかったのはペルソナ作り。企画書などに入れて行けたらと思っています。